食品の消費税引き下げを検討する際には、家計への直接的な効果と、外食産業への波及効果を分けて考える必要があります。
政府案では、軽減税率の対象となる飲食料品を8%から1%に引き下げる方針が示されています。
ただし、外食は原則として対象外であり、食品減税が飲食店の売上げを直接押し上げるとは限りません。
個人飲食店への影響は一様ではない
減税によって家計の負担が軽くなれば、消費全体が下支えされ、外食需要にもプラスの影響が及ぶ可能性があります。
一方、家庭で購入する食品が相対的に安くなれば、内食へのシフトが起こる可能性もあります。
影響を判断するには、地域、業態、客単価、顧客層などを踏まえた分析が必要です。
支援制度では「制度の存在」と「実際の利用」を区別する
政府が商品券やクーポンなどの需要喚起策を検討する場合、制度を設けること自体が目的になってはなりません。
利用者が知名度の高い店舗や集客力のある店舗を選ぶ傾向があれば、支援の効果が一部の店舗に偏る可能性があります。
個人経営の飲食店にも恩恵を届けるためには、参加機会の確保や地域の実情に応じた利用促進が重要です。
今後の政策設計で検討したい点
-
個人店が無理なく参加できる条件になっているか
-
地域ごとの飲食店の構成や利用者の行動を踏まえているか
-
支援が特定の店舗に偏っていないか
-
個人店の売上げや来店状況に、どのような変化があったか
-
支援終了後も地域の飲食店が営業を継続できるか
食品減税の目的は家計負担の軽減ですが、政策全体としては、地域経済や事業者への影響も見ていく必要があります。
今後の国会審議や政府の制度設計では、個人経営の飲食店にどのような支援が行われるのか、またその支援が実際に届いているかを検証できる仕組みが重要になると考えます。
矢野千城